ピッチャーをしている小学生の右肩の痛み。
1年前右肩の動作時痛のため病院受診し、骨端線離開と診断される。
練習量を減らし、病院でのリハビリを行って「治癒した」とのこと。
しかし、投球動作をすると右肩後面に痛みがあって、なかなか治らないということで当院を受診されました。
////////////////////////////////////////////////////////
スポーツなど特定の動作の繰り返しによって起こっている痛みをお持ちの患者さんが来られた場合は、当院での施術は次の①~④の手順で行っております。
①痛みが出るポジションを取らせ、まずは痛みの出ている部位を特定します。
②部位の特定が終われば、次にその部位の筋肉の起始部と停止部の真ん中(=筋腹)を押圧し、痛みの出るポジションをしてもらいます。
③痛みの低下・痛みの部位移動・痛みの増強・変化なしを確認し、痛みが低下した場合は、その筋肉が原因として、ストレッチ・マッサージを行います。
④その後、施術した部位を押圧し、響くような感覚が出るのかどうかをききます。
響くような感覚が出たときは、そのルートに沿って痛みを放散させようとする身体の判断があると考え、その響きが消失するまで押圧を続けます。
/////////////////////////////////////////////////////////
痛みをどのようなルートで治していくのか、は身体が決めることです。
そこで、身体が決めたルートを再現し、患者さんに自覚してもらうためのお手伝いをするのが、当院の役割と考えております。
この小学生の患者さんの場合は「右大円筋」に一致してスジ張りがあり、私がその筋肉を押圧すると、患者さんは「右薬指までひびくような感覚が出ます」と言われました。そのひびきの感覚がなくなるまで押圧したところ(このケースでは5分程度)肩の投球動作時の後面痛は無くなったので、施術を終了としました。
経過を観察していますが、今のところ問題なくプレーを続けています。
身体とこころをつなげる。
当院の施術の特徴の一つに、「患者さん自身に身体を意識してもらう」ということがあります。
痛みや不快感は何らかの理由で感情や思考と身体が「つながれなくなった」ことを示していると思います。
そこで、痛みが出ている場所以外のところもさわって、痛みのある部分に響くような感覚が出る、そのような場所を見つけ出すことで患者さん本人の意識と身体をつなげることが大切なのではないかと考えております。
その結果として痛みや症状の軽快が期待できるのではないかと考えています。