歌唱力を維持する秘訣とは?
デビューしてから40年以上たっても衰えない歌唱力を持つ現役の歌手が声を維持する秘訣を聞かれて、次のように話されているのをテレビでみたことがあります。
「歌唱力は(最終的には)背筋の強さです。だから、スポーツやトレーニングなどで背筋をきたえるといい」。
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西洋医学的には筋肉を「きたえる」には筋を収縮させる運動を繰り返す必要があると言われていますが、東洋医学的にはどうなのでしょうか。
東洋医学的には、
背筋をきたえる、ということを「督脈(とくみゃく)を開通させる」というように表現しています。
東洋医学で言う督脈とは何でしょうか?
下図を参照してください。
図の説明
身体を横から見た図です。
青色の点線が任脈、赤色の線が督脈です。
督脈には3つの詰まりやすい部分がある
その場所が
〇後頭部
〇背中の肩甲骨のあたり
〇仙骨
なのです。
督脈を開通させるためにはどうしたらいいのでしょうか。
督脈(とその両側にある背中全体)を意識することです。
でも、意識できない人がほとんどです。
なぜならば、背中を意識して生活することを教わったことがないからです。
最近は「背すじをしっかりと伸ばしなさい」と指導する親や学校の先生も少なくなってきたのではないでしょうか。
普段の生活において、背すじを伸ばせていない人が、ほんとうに多いです。
そこで、肩甲骨まわりを意識することからはじめるといいのです。
肩甲骨を意識することで、背中を意識できるようになります。
まずは肩甲骨を意識することから。
冒頭に述べたように、デビュー40年を過ぎても歌唱力を維持するための秘訣は「背筋をきたえること」でした。
見方を変えれば、この歌手は「歌いながら背筋を意識することを40年以上続けてきた」ということになるのではないでしょうか。
そんな歌手の方が「のどをきたえるのではなく、背筋をきたえる」という結論を得たことは、私たちの生活においても背筋を意識して生活することの大切さと可能性を秘めているように思わずにはいられません。
筋肉はほぐれているとより意識しやすくなります。まずは肩甲骨まわりをほぐすことから始めてみませんか。