呼吸に始まって呼吸に終わる
私たちは、この世に生を受け人生を始めるとき、呼吸することから始めます。
そして、亡くなるときは呼吸をしなくなることで人生を終わらせます。
ですから、身体の状態を良好にするためには、呼吸の機能をいい状態にしておくことが必要なのです。
肺は筋肉によって機能する
肺という臓器は、そのままほっておいても呼吸をしてくれる、と考えている人は多いのではないでしょうか?
じつはそうではありません。
肺が呼吸をするためには、筋肉の助けが必要なのです。
心肺蘇生法、という言葉を聞いた方もおられると思います。
救急の現場では呼吸が止まってしまった人を蘇生させるためにしっかりと胸(=胸郭)を押し、呼吸を回復させようとします。
このことは、呼吸という肺の機能は、筋肉によって発現していることを意味します。
話を元に戻します。
呼吸を行うときに使われる筋肉はさまざまありますが、重要なことは、それらの筋肉を使ってどこの部分を作動させているのかを考えることです。
身体はこれらの筋肉を使って、胸郭(きょうかく)を広げたり縮めたりしています。
そうすることで肺が呼吸をできるように機能するのです。
ですから、胸郭のまわりの筋肉が硬くなっていたら、胸郭が広がりにくくなるため、呼吸の質が落ちてしまうわけです。
胸郭のまわりにある筋肉のひとつに、肋間筋(ろっかんきん)があります。
この筋肉は、胸郭を構成する肋骨と肋骨のあいだにあって、呼吸にかかわっています。
前から見た右側の肋間筋
この筋肉は肺を収めているケースのような役割をしている胸郭を構成している肋骨と肋骨のあいだにあります。この筋肉が伸び縮みすることで胸郭がふくらんだり縮んだりすることができるのです。その結果肺が機能します。
肋間筋の柔軟性を維持することが大切。
普段私たちは呼吸をしていても、肋間筋が柔軟なのかどうか、などと考えてもいないです。でも、生命を維持するために呼吸が不可欠なのですから、身体の機能がすこやかな状態かどうかは、呼吸にかかわる筋肉が十分に機能しているかどうか、に大きく影響されるのです。
普段意識していないところが、若々しい身体を維持するために大切な場所なんだ、ということを知ってほしいと思います。
また、普段意識していない場所なので、逆に整体などで刺激されたりして意識すればするほど効果が出やすいところなのだということも強調したいところです。
当院の施術では、必ず肋間筋を刺激します。
肋間筋に代表される、呼吸にかかわっている筋肉を刺激していくために、肩甲骨まわりの筋肉をほぐしていくことも重要です。
当院の整体においては、肩甲骨周囲への刺激を行うと同時に、肋間筋への刺激もしっかりとおこなっています。
呼吸の質を良くしていくために、呼吸に使われる筋肉の柔軟性を維持していくことが、健康や若々しさを維持するために大切です。
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以下に施術例をあげています。
施術例
新型コロナ感染後の呼吸のしにくさを訴えて来院された方の施術例
この方は30歳代の女性で、高熱と咳が出て、新型コロナに感染したとの診断を受けました。
診断後数日で熱は下がったものの、咳がなかなか治りませんでした。ようやく咳が出なくなってきたものの、最近は息を十分に吸うことができず、階段をのぼると息切れもしてくるということで悩んでおられました。
さらにこの方は自分の症状をネットで調べて、それに該当する症状が「コロナウイルス感染後の後遺症」だと考えました。コロナ後遺症で苦しんでいる報道や情報に接して、自分も治らないのではないか、という絶望感におそわれ、将来を悲観しておられたのです。
本人にパルスオキシメーターでの酸素飽和度の数値はどうであったかを確認すると、常に96%以上はある、とのことでした。(※酸素飽和度はコロナの中等度の基準では96%未満とされています)整体の適応範囲であると判断し、施術を開始しました。
本人の身体の右半分の胸郭を押さえて呼吸してもらうと、「息が吸いやすくなった」と話されたので、胸郭の右半分にある息を吸う時の筋肉群をゆるめることを中心に施術を行いました。
施術終了時には「息が十分吸えるようになった!」という感想をいただくことができました。
この方の場合は、息を吸う時に使われる筋肉が緊張し続けていたことに原因がありました。そこに後遺症に対する本人の不安感が加わっていた、というケースでした。
施術後しばらくしてから再び来院されたのですが、「あれはなんだったんだろう」と明るい笑顔で振り返っていた姿が印象的でした。
お役に立てて、良かったです。
「どこに行ってもよくならない」
「自分の症状を何とかしたい」
「
とお困りの方、